猫の病気というと伝染病や寄生虫に限定してしまうケースが多く、飼い主は、伝染病予防のためにマメに予防接種はするが、つい口腔内の病気(歯周病)を軽く見てしまっているようです。
3歳以上の猫の8割が歯周病にかかっているといわれております。歯周病とは、歯垢(*1)や歯石(*2)が歯につき細菌によって、歯周とよばれる歯肉、歯槽骨(顎の骨)、歯根膜(歯根と歯槽骨の間の膜で、一種の圧力センサー)に炎症を引き起こし、歯が抜けてしまう病気です。
更に歯周病が起因した消化不良や消化器系疾患や腎臓疾患、心臓疾患などに発展してしまう場合もあります。
*1 食物の蛋白質の膜が歯の表面につき、細菌が繁殖して歯垢(プラーク)ができます。
*2 歯垢がどんどんたまり、唾液中のカルシウムやリンが沈着(石灰化)したものです。
歯周病の一番の原因である歯垢や歯石が歯に沈着しないようにする。つまり人間と同じ、歯ミガキを心がけるということです。歯ミガキの方法は、人間と同じように毎食後に根気良く歯ミガキを続けることです。ただし、猫には、歯ブラシで歯を磨く習慣はもともとないため、成猫なら毎食後、短時間でも根気良く歯ミガキをする習慣をつけること、また、仔猫であれば、しつけの一環として食後の歯ミガキを習慣づけていくことが重要です。歯磨きが嫌いな猫、慣れていない猫はガーゼなどを使用することも有効です。